半世紀前のモノクロ空中写真から当時の土地利用状況再現

敵対的生成ネットワーク(Generative Adversarial Networks 以下、GAN)を用いて半世紀前のモノクロ空中写真から当時の土地利用状況再現しました。GANは画像を入力して新たな画像を生成するAIですが、生成器(Generator)と識別器(Discriminator)の2つのネットワークを用いる点が特徴です。Generatorは本物そっくりの画像を生成し、Discriminatorは本物と偽物を識別する役割を担い、それぞれが学習して競い合いながらネットワークを強化していきます。最終的にGeneratorは本物と区別がつかない画像を生成するようになります。

この仕組みを利用して、1960年代のモノクロ航空写真画像からカラーの復元し、さらにカラーに復元した航空写真から土地利用画像を生成する2つのGANによる画像生成工程を経て、土地利用状況画像を生成します。モノクロ画像からカラー画像を生成するために、モノクロ変換した画像を入力して元のカラー画像を正解データ(生成ターゲット)となるような教師データセットを構築しておきます。

GANによる画像生成工程

生成した画像が以下になります。現在の土地利用状況と比較することで50年間の土地利用の変遷を把握することができます。

1960年代の土地利用画像データ生成結果